実は東洋医学の世界でもけっこう不眠を訴えて治療院にこられる方も多いのです。
と言っても、「不眠」という症状が主訴ではなくて他に主訴があってその結果「不眠」症状があるという方が多いと言ったほうが正しいかもしれません。
東洋医学でも「不眠」」という症状に対する治療をする際に患者さんの「体質」を分類します。
この分類は西洋医学で言うところの「病名分類」ではありませんが、その患者さんがどういう原因で「不眠」という症状を訴えているのかを把握するために「証」を立てて治療方針を決定して治療に有効な経穴(ツボ)に鍼灸やマッサージなどの刺激を送ります。
では、東洋医学ではどのように「証」を立てて治療するのでしょうか?
実は東洋医学では「望・聞・問・切」という「四診」という手法を用いてその時の患者さんの体の状態を把握しようと試みます。
1.望診
視覚によって患者さんの病状を把握すること。
顔の表情や顔色、姿勢、歩行状態、舌の色や苔の状態、目の状態、爪の色や状態、口唇の色や状態などを確認していく。
2.聞診
鼻や耳を使って患者さんの病状を把握すること。
声の調子、呼吸状態、咳の有無とその状態、ゲップやため息、しゃっくりなどの有無、及び頻度、口臭や体臭の状態などを確認していく。
3.問診
患者さん本人あるいはそのご家族から診断に必要と思われる事項について質問して病状を把握すること。
発熱の有無、寒気の有無、頭痛の有無とその部位、腹痛の有無とその部位、汗の状態、便の状態、飲食の状態、睡眠の状態、口腔内の状態などを確認していく。
4.切診
患者さんに直接触れてみて病状を把握すること。
脈診(主に手首の脈)の状態、腹診、背候診、皮膚の状態、四肢の状態などを確認していく。
これらの情報を合わせて患者さんの体の状態を把握して治療方針を決定していきます。
では、次に「不眠」症状を大きなタイプ別に分けて見ていきましょう。