では、快適に睡眠をとるために心がけたいことはどういったことでしょう?
具体的に14の項目を考えてみました。
1.眠くなってからふとんに入りましょう。
眠ろうとしすぎると大脳が緊張してかえって寝つきが悪くなります。
自然に眠くなってから布団に入るようにしましょう。
2.睡眠時間にこだわるのは止めましょう。
睡眠時間は、人によってそれぞれです。
また同じ人でも季節によって睡眠時間が変化する人もいます。
「○時間寝ないといけない」という使命感をもつことは止めましょう。
加齢によって必要な睡眠時間が短くなるのはごく自然の生理現象です。
「どうして自分だけ?」という意識をもつのは止めましょう。
3.睡眠に影響を与える強い刺激は避けましょう。
夕食後のカフェイン(コーヒー、紅茶、濃いお茶など)の摂取は避けましょう。
刺激の強い味(特に辛いもの)の大量摂取は避けましょう。
就寝前のタバコは避けましょう。
就寝前に強い光は避けましょう。
就寝前に興味のある本を読むことは避けましょう。
就寝直前に食べ物を摂取しないように心がけましょう。
4.毎日の起きる時間をできるだけ同時刻にしましょう。
「早寝早起き」ではなく「早起き」の継続が結果として「夜の眠気」を誘発します。
休日に遅くまで寝ていると、休日開けの朝が辛くなります。
休みの日も朝は遅くまで寝ていることを避け、生活リズムを作りましょう。
5.「眠りの環境作り」をできることから始めてみましょう。
目が覚めたら太陽の光を取り入れて積極的に体内時計を切り替えましょう。
夜の室内照明で、特に照明の「照度」に注意しましょう。
寝室内の温度、湿度を睡眠に快適な状態にしましょう。
その他、睡眠時に使用する寝具を自分の体型・体質に合わせてみましょう。
6.かんたんにできるエクセサイズを始めてみましょう。
お昼から夕方にかけての運動習慣は熟睡を促進させます。
運動で一時的に体温が上昇し、その後の体温低下で「眠気」が誘発されます。
太陽の光を浴びることで、睡眠誘発ホルモンの
「メラトニン」が体内で増加します。
但し,強い日差しを浴び過ぎても皮膚に悪影響があるので注意しましょう。
7.昼寝をするなら午後3時前にしましょう。
長い昼寝はかえって夜の睡眠の妨げとなります。
ダラダラ寝るのではなく、時間を決めてココロとカラダを休めましょう。
目安は20分〜30分です。
夕方以降の昼寝は避けましょう。
昼寝によって、午後の仕事の能率は確実にアップします。
最近企業でも積極的な「昼間の休憩」を奨励しているところもあります。
8.「眠りが浅い」と感じたら、積極的に「遅寝・早起き」をしましょう。
布団の中に長く居ることで、かえって熟睡感が減ってしまいます。
睡眠調節機構の一つ、「ホメオスタシス機能」をうまく利用しましょう。
眠りが浅いと感じたら睡眠時間そのものを減らして見ましょう。
9.激しいいびき、無呼吸、下肢の痙攣などはお医者さんに相談しましょう。
背景に他の病気が隠れている場合があります。
症状が長く続く時(2週間以上)は、お医者さんの診察を受けましょう。
10.度々昼間に強い眠気に襲われるときは睡眠専門医の診察を!
睡眠中のいびきが原因であることもあります。
症状が進むと睡眠時無呼吸症候群(SAS)へ発展することもあります。
また、日中活動中に突然激しい眠気に襲われるような遺伝性の病気もあります。
心配な方は睡眠治療を専門で行っているお医者さんの診察を受けましょう。
11.「睡眠薬」代わりに「飲酒」をしない。
就寝前にアルコールを過剰に摂取すると深い睡眠を減らし中途覚醒の原因になります。
体内でアルコールを分解する際、水が必要になるために咽が渇き目が覚めることもあります。
逆に余分な水分を排泄しようと「尿意」を催し目が覚めてしまうこともあります。
12.睡眠薬を服用するときはお医者さんの指示に従いましょう。
睡眠薬は決められた時刻に服用するように心がけましょう。
またアルコールとの併用は避けましょう。
13.快適に眠るための「入浴法」を身につけましょう。
ぬるめの温度(38〜40℃)のお湯にゆっくりつかりましょう。
「半身浴」が副交感神経の活動を促します。
浴槽の照明や
音楽、
アロマ、リラックスグッツで環境を変えてみましょう。
14.自分にあった「リラクゼーション法」や「睡眠導入法」を見つけましょう。
「これをやると眠れる」「これが近くにあれば眠れる」というものを探してみましょう。
ストレッチ、呼吸法、
アロマテラピー、
音楽、マッサージ、自律訓練法なども有効です。
あくまでも「自分スタイル」を見つけましょう。
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